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GALLERY REPORT 中村拓志展 2007.1.12-3.4 |
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(a)展示会場風景
(b)展示場で配布したフリーペーパー
(c)目黒の集合住宅・模型
(d)「House
SH」(Photo:Daici Ano)
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中村拓志展は以前までより会期が延びたこともありますが、過去最高の動員数を記録しました。毎日のように学生を中心とした来場者が、熱心に模型に見入る姿が見られ、750部刷られたフリーペーパー(写真b)も最終日にはすべて売切れてしまいました。
展示会場に置かれたフリーペーパーに今回展示された建築物の説明・批評は、専門の方々によって熱く語られているので、ここでは「中村拓志展」で私が気になった作品をピックアップしてご紹介しようと思います。(とても恐縮なのですが…)
まずは心に残ったのは、2007年5月に竣工予定の目黒の集合住宅。(写真c)これは計画敷地に高さ15m超の木々が長さ40mにわたって立ち並んでいました。それを見た中村氏は、林をできるだけ残すことを念頭に置いた計画を提案し、見事コンペに勝利しました。
『まずは木々の枝一本一本をレーザーポイントで測量して、コンピューター上でモデリングする。次に樹木医と相談し、根を痛めないように、構造壁をぎりぎりまでセットバックする。そのあと台風時の木々の挙動を考慮しながら、枝を避けて部屋のボリュームを壁から出すことで、容積を確保するアイディアである。』(中村拓志展フリーペーパーより)
樹木医にも協力を仰ぐことで、単なる理想や計画で終わるのではなく、本気で樹を守る方法を実践しています。
そしてまず都心に居ながら林の中で、「鳥たちと一緒に生活する」なんていかにも楽しそうで、幸福なイメージを掻き立てます。そして「林を残す」という行為自体も魅力的で、ストーリーを感じさせられます。
コンペで勝つということは、お施主さんに「一番これを作ってみたい」と思わせることができたということ。なんと鳥の巣箱も一緒に計画されているそうです。
人の感覚は視覚が大部分を占めているということで、見た目にインパクトのあるものは当然刺激的です。中村氏の住宅第一作の「House
SH」(写真d)は一見建物に見えず、住宅地に白くて柔らかそうで巨大なオブジェが出現した、そんな印象を受けました。
しかし中から撮影された写真を見ると、もちろん立派な住居です。外見からは個性的な形から刺激的な印象を受けましたが、よく見てみるとまるで建物に守られているような、そんな包みこむような優しい雰囲気のデザインでした。
中村さんは若手の建築家の中で、実現している計画数が抜きん出て多いです。
コンペで勝利した作品に共通して思うのは、コンセプト・発想の切り口の斬新さです。しかしその発想は、建築の勉強をしていない私でも感情移入のしやすいものに感じました。人が本来持っている感覚に訴えかけてくるような、そんな提案は見る人を選ばないのだなと思いました。
(ギャラリー担当・立松千春)
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