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GALLERY REPORT 中佐昭夫/ナフ・アーキテクトアンドデザイン展 2008.03.07-2008.04.20 |
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(a)展覧会風景
(b)「C.U.I」模型
(c)個人住宅の模型
(d)「C.U,.I」エントランス
(e)「C.U,.I」外観
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今回は「visible/invisible」がテーマということで、目で見える物(図面、建物の完成写真)がvisible、目で見えない物(議論した内容や試作、もともとの敷地など)をinvisibleとして別々に展示しました。
目に見える“visible”なものは、プロジェクトに携わっていない人間からすればそれが知ることできるすべてです。
それに対して目に見えない“invisible”なものは、人に見せられるものになる前段階のもので、いわば「整理整頓」をされる前のものです。もしも『成果』=“visible”、『プロセス』=“invisible”とという見方をすれば、コンセプトもプレゼンで公けにすると「完成形」なので“visible”の範囲に入ってきます。
なので初め は“invisible”を展示するというのは難しいことだなと思っていました。展示として公けにした時点で、それは“visible”なものになるように感じましたので。
しかし今回の展示はその“invisible”なものをそのまま展示したのではなく、“visible”に変換したものを展示していていました。そして「invisible→visible」への変換方法、表現手段こそが今回の展示のポイントであり、個性との出ている部分だと思いました。
中佐さんにとってその「invisible→visible」という行為は、日常的にしていることなのではないかと思います。
例えば、様々な人たちと一緒にプロジェクトを行っていく中で舵をとるためには、仲間の中での共通の「イメージ」や「約束」が必要です。それはアウトラインを描くように、明快でシンプルでなければ相手に伝わりません。
そんなアウトライン、共有すべき基本的イメージの部分を形にした展覧会だったように感じました。
展示の準備をしていた時のこと。今回の「visible/invisible 展」を担当していた所員の方が「(中佐さんは)あまりわかり易くしたくないようなんです。」と言ったのを覚えています。その時は意味がよく分からなかったのですが、今は今回展示されていた“invisible”が、プロジェクトのいわば「0地点」を形にしたものだからだと理解しています。この基本形の上に少しずつ具体的な内容を乗せていき、試行錯誤の末に完成させていくのでしょう。「分かり易くしたくない」というのは、より「0地点」を明確にするために「具体的にしたくない」ということだったのだと思います。
ギャラリーのオープニングパーティーの時に対談に来てくださった倉方俊輔氏は、中佐さんのアウトラインの描き方を「図式的」と表現していました。0地点のイメージを皆で共有できるからこそ、次々に振りかかる現実的な問題にも振り回されず、個性的なものが作れるのだと思います。
今回メインで展示していた「C.U.I」という作品自体についても少し触れたいと思います。「C.U.I」は東京電力の現在は使用されなくなった社宅の改修で、築45年以上の古いRC造4階建て建物をリノベーションしました。この建物、道路側から見るとまったく見えません…。なぜなら変電所の裏にくっついて建っているからです。建物の顔はまったく隠れてしまっています。なのでこの建物に入るには、変電所の隅にある通路を通り、裏側にまわります。
しかし建物自身は南向きで、採光も十分、広さも40平米以上ある部屋が6つありました。そして専用庭や昔使用していたちいさな倉庫がいくつもありました。
これら条件の中で「離れがついた住宅」という発想で、各部屋にそれぞれ「おまけ」が付いたようなプランができました。賃貸の集合住宅にも関わらず、3階の部屋を借りた人には1階にも小さな専有スペースがつ付いていたり、エントランスには各部屋ごとに専用の屋外スペースが付きます。
これは都会に住む人のライフスタイルに基づいています。例えば自分の家から職場までの間で、いつも行くコンビニ、駅、お気に入りのカフェ、スーパーなど「自分が行く場所」と、存在は知っているけどいつも素通りする「行かない場所」とに分かれます。つまり自分のテリトリーを点在させる傾向が、都市の生活者には見られるということです。
自分の部屋、倉庫、エントランススペース、庭、など自分が専有できるスペースが建物内に点在していることで、都市の縮図を建物の中に作っています。都市型のライフスタイル持つ現代人なら、これらの空間を効果的に使いこなせるのではないでしょうか。
この「C.U.I」に関しては弊社も関わっていたため、プロジェクトのはじめから終わりまでを見ることができました。完成した建物は、窓枠、屋外の照明、間仕切りの仕方など、見た目のデザインやディティールにもこだわりが見られます。最終的にきちんと、「よい結果」がでることは大事です。今回の展示は“invisible”を中心に展示をしていましたが、“visible”の部分はもちろん素敵なので、空室が出た際には是非一度「C.U.I」に入居していただくことをおすすめ致します!
(ギャラリー担当・立松千春)
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